そもそも「日本酒学」とは。記者は醸造学や発酵学といった学問はよく耳にしていたが、恥ずかしながら日本酒学の存在すら知らなかった。しかし平田氏の講演を聴いて、日本酒の魅力をますます深く知ることができ、その取り組みに感動すら覚えた。

 日本酒学とは新潟大が提唱し、2018年4月に同大で創設された世界初の学問だ。新潟県は酒蔵数が89社と全国最多で、全国3位の日本酒課税出荷数量を誇る。その量は以前に比べ減ってはいるものの、国内シェアが8・3%に伸び、吟醸酒では約21%に上る。輸出も新型コロナウイルス禍以前に戻りつつあるという。全国唯一の県単独の醸造試験場を持ち、日本酒イベント「にいがた酒の陣」は大人気で、順風満帆に見える。それでも平田氏は「でもわれわれの中には、何か『ピース(組を成すものの一つ)』が足りないという思いがずっとあった」と明かす。

 それはワインならワイン学があるように、新潟県が誇る日本酒をアカデミックな側面から支える、製造法に限らない社会、文化、健康との関わりまでも領域とした「日本酒学」ではないかという思いだった。

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